新現美術協会50年史掲載(2000年12月刊行)
高校の頃から油絵を描きはじめ、およそ四半世紀が過ぎようとしている。周りの人に自分の描いた作品を評価してもらいたい、描くことを通じて自分という存在を認めさせたい、ほとんどこの思いだけで描き続けてきた。
評価を得る手段として考えたのは公募展。数々の公募展に出展しては、審査結果に一喜一憂する。入選・入賞作品に影響され描き方を変えていく。年間の制作スケジュールはおのずと公募展開催時期に合わせて決まり、それが生活の一部に組み込まれたかのように半ば惰性で描き続け、次第に自分がこれまで求めてきた”評価”の意味がわからなくなった。
なぜ描くのか?何を描きたいのか?自分にとって描くことの意味を自問してみても明確な答えは見つからない。
とにかく今は描きながら答えを探していこうと思う。描くことを止めた自分に残るものを思い浮かばないから。
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